REPORT

2017.09.28

世界最大級のデジタルマーケティング・カンファレンス「dmexco(ドメキシコ)」に行ってきました!

ナノベーション セールスエグゼクティブ 笠原望

9月13、14日にドイツ(ケルン市)で開催された世界最大級のデジタルマーケティング・カンファレンス「dmexco」。ナノベーションでは参加する視察ツアーを組み、総勢15名で参加しました。今回初めて海外カンファレンスに参加した私(笠原望)が参加して感じたことをレポートさせていただきます。

dmexcoとは

ご存じない方もいらっしゃると思うので、dmexcoの概要をご紹介します。
dmexco(ドメキシコ)と発音しますがメキシコは関係なく、"Digital Marketing Expo Conference(デジタルマーケティングエキスポカンファレンス)"の略称です。今年で9回目を迎える世界最大級のデジタルマーケティングの国際見本市です。2009年に始まったこのイベントは、ここ数年で一気に来場者数が増え、4万人を超えています(2009年と言えば、日本ではアドテック東京が初開催された年です)。来場者は欧州にとどまらず、米国からも多くの人が参加。最近ではアジアからの参加者も増えてきています。

日時
2017年9月13日(水)9時~18時半、14(木)9時~15時半の2日間
2017年テーマ
「LIGHTENING THE AGE OF TRANSFORMATION」
来場者数
40,700名
出展社数
1,100社(半分がドイツ以外からの出展)
登壇者
570名

dmexco会場

dmexcoは、毎年ドイツのケルン市で開催されています。ケルンといえば世界遺産にも登録されているケルン大聖堂が有名です。人口は約100万人で、ベルリン、ハンブルク、ミュンヘンに次いでドイツの中で4番目に大きな都市で、ライン川両岸にケルン市街が広がっています。

dmexco会期中は、駅のホームの中や街中の看板などにdmexcoの広告があり、街を上げてイベントを盛り上げている様子が見受けられました。

会場となるケルンメッセは、展示面積286,000㎡もある世界で7番目に大きい会場です。日本で一番大きい展示場である東京ビッグサイトの約3.5倍もの広さになります(歩きやすい靴は必須です!)。会場内はホール間を移動するシャトルバスも運行されています(下写真はシャトルバス乗り場です)。ライン川沿いケルン大聖堂の向かい側に位置し、ケルン中央駅から電車で10分程度なので交通の便がとても良いです。実はdmexcoの主催メンバーには、このケルンメッセも入っています。そういう意味ではケルン関係者が総出で盛り上げていると言っても過言ではないと思います。

dmexco準備編

当然ですが、dmexcoには公式アプリがあります。会場に行けばガイドブックが配られていて、そこにほぼ全ての情報が掲載されているのですが、持ち運ぶのに重い。そして会場に着くまでもらえないので事前勉強が出来ません。公式アプリを事前に入れておくことで、セッションのスケジュールや概要、場所、スピーカーなど確認できます。特に会場が広いので場所の確認だけはしっかりしておいた方が良いです。端から端まで歩くと、かなりの距離と時間になるので。なお、このアプリはかなり重いので日本のWi-Fi環境が整っているところでダウンロードした方がいいです(来年のアプリは改善されていることを願います)。

Welcome VIP opening party

イベントの前日には、VIPを集めた前夜祭のようなパーティがあります。19時からですが、皆さんゆっくりいらっしゃいます。20時くらいでも遅くないくらいです。100-200人くらいの規模で、とてもオシャレ。dmexcoのカラーでライトアップされ、日本にはない雰囲気です。カメラマンも入り、集まったVIP達の写真を撮っていきます。dmexco紹介動画などでよく映るパーティ映像はこのパーティです。
ただし、ここに来ればマーチン・ソレルやシェリル・サンドバーグに会えると言う訳ではありません。実はこのパーティ以外に、さらに上のエグゼクティブが招待されているランチ会があるとのこと。主催者から特別に50名くらいの方が招待され、過去に日本から参加出来た人はいないそうです。ちなみに、主催者から「1人くらいなら、日本から招待しても良いよ」と言ってくれました、次回興味ある方は連絡ください。

dmexcoの出展企業について

フロアマップ詳細はこちらです。

出展者は1000以上ありますので、全てを紹介できないのですが、印象に残ったブースを写真で紹介したいと思います。どのブースも基本的には商談をメインで作られていて、ソファセットやテーブルが置かれ、珈琲やお菓子などが用意されていました。また、ブース内でパーティを開催しているところもありました。日本企業では楽天などがブース出展。スタッフが全員サッカーのバルセロナのユニフォームを着てアピールしていました。

dmexcoの出展ブース

Google社

Oath:社

楽天

Facebook社

Spotify社

Marketo社

Teads社

comScore社

SHAZAM社

Snapchat社

GroundTruth(旧xAd)社

ebay advertising社

展示会場内には、「FEMALE QUOTIMENT」と名付けられた女性専用ラウンジもありました。このラウンジには色々な会社が協賛して出来ています。協賛企業ロゴの前にはこんなテキストが書いてありました「The Garl's Lounge is given with love from...」。

参加セッションについて

参加セッション1

【テーマ】Do We Need a new Mindset?
(トランスフォーメーションに必要なマインドセットとは?)

【登壇者】Allan Blue氏 Linked In Co-Founder, VP Product Management.
Alisee DE TONNAC氏 Seedstar World のCo-Founder & CEO

これからの時代に必要なマインドセットについてセッションは展開されていきました。
固定概念を捨て、イノベーションを起こしていくには、次のようなマインドセットが必要だと話されていました。「デジタルはより多くの人を繋げるツールであり、人々が何を欲しがっているのか理解するツールであるということを理解し、大きな企業は組織が大きいがために複雑な問題が出てくる。しかし、その中で『何が一番本質なのか』というのをしっかりと見つめる必要がある。」
仕事を進めていく上での基本を再確認することの重要性が訴求されていました。

参加セッション2

【テーマ】SEASON II: SIR MARTIN SORRELL IN CONVERSATION WITH JACK DORSEY

【登壇者】JACK DORSEY氏 CEO, Twitter
SIR MARTIN SORRELL氏 CEO, WPP

「シーズン2」と題したTwitter創業者ジャック・ドーシー氏とWPP総帥サー・マーチン・ソレル氏のパネルディスカッション。
実は昨年も同じ対談が設定されたが、ジャック氏の急遽国外出張がNGとなり、当日はソレル氏が、一人舞台に立ち、ジャージ姿のジャック氏がビデオ会議で参加することになり話題を呼びました。
1年越しで実現した2人の対談の様子は、マーチン・ソレル氏は威圧感を出しまくり。対してジャック・ドーシー氏が一問一問、真摯に回答している様子が微笑ましく感じました。ただ最後は2人で記念撮影するなど、対談を楽しんだ様子が伺えました。
セッションでは、Amazon によるNFL ストリーミングの発表などにも及びました。Twitterでもストリーミングは行われているが、競合になりえるAmazonの動きについてどう感じているのか?という問いにジャック氏は「Twitterは「会話」の場所。それが我々のDNA。知らない人たちの会話に参加し、会話の中で何が重要だったのかを強調することができる。強みは「conversation=会話」であり、彼がそのストリームをみて何を思ったのか。だから、ストリーミングが重要なのではなくて、そこで人々が何を思って感じたかが大事。」と述べています。Twitterの軸はブレておらず、どこにポジションを取っていくのか、明確に話されていました。

参加セッション3

【テーマ】プリチャード氏が提唱する「次世代のデジタル広告」:2秒広告以上のものがP&Gには必要。

【登壇者】マーク・プリチャード氏 P&G

世界最大の広告主のChief Marketing Officerであり、世界の広告界に対してアドフラウドの警鐘を鳴らしたマーク・プリチャードは何を語るのか、注目のセッションでした。彼はキーワードとして「Mass one-to-one marketing」を掲げました。更にターゲティングされた深く、そして広いデジタル化されたマス広告に取り組んでいる、と。YouTubeの出稿を取りやめたことで話題を呼んだプリチャード氏でしたが、現在はYouTubeとも組んで、次にどのような広告を打つべきか、模索し始めているとのこと。アドフラウドの検証からその次のステップに踏み込んでいることが感じ取れました。

最後に

非常に学びの多い2日間でした。弊社でもカンファレンスを開催しており、また他社のカンファレンスに参加し勉強させていただくことも多くありますが、展示会場やブースの大きさ、雰囲気に圧倒されました。主催者内にイベントのイメージを統括するクリエイティブディレクターがいると思うのですが、全てのデザインや造作、ライトアップなども含め、統一感があり、しっかりとブランディングされています。また、エンターテイメントの要素もあり、最初から最後まで楽しめました。
しかし、その一方で、世界各国からキーパーソンが集まり、“商談”を目的に来場しているのもわかりました。元々顔見知りが集まってミーティングしていることもありますが、dmexcoでは名刺交換している光景をあまり見受けませんでした。じっくり話し込んで、その上でさらに情報が欲しいとき、次のステップに進む方とだけ名刺交換している印象です。
ブースの作り込みに関しても、独創的。同じ空間を使っているのにここまで違うのか!と言うくらいイノベーティブなブースがたくさんありました。
ちなみに、来年もナノベーションではdmexco視察ツアーを開催予定です。ぜひ世界最大のビジネスカンファレンスを体感してください。皆さまのご参加をお待ちしております。

ランチコラム

Dmexcoでのランチについてお話ししたいと思います。4万人以上が訪れるDmexco、会期中はメッセ内のレストラン以外にも各ホールの間にフードトラックが出ています。アジアンフードからドイツ料理まで種類豊富、ビールも売っています。昼時は行列必至なので早めに食べることをオススメします。ちなみに、アメックスカードが使えないトラックが多いので注意が必要です。なお、テント内にテーブル、ベンチがあるので雨が降っても大丈夫です。

実際に食べたものをご紹介します!
①チキンヌードル。焼きそばです。薄味です。
②フライドポテト(チーズとミートソース付き)。
③Currywurst(カリーブルスト、ソーセージにカレーをかけたものです)。
※ビールは楽天さんのブースで頂きました。

この他にも、ケルンメッセの通路に"寿司ポイント"という名前のお惣菜屋さん?があります。お寿司の種類も豊富でけっこう人気です。そこそこ美味しいです。

ちなみに、時々各出展ブースでコーヒーを配ったりしています。名刺を渡したり、メールアドレスを登録するなどの条件が必要ですが、無料でもらえます(写真はGoogleのコーヒーコーナーです)

(ゴム製で、しっかりとしたカップです。)

なお、カリーブルストはケルン中央駅に有名なお店「Meister Bock」があるので、ぜひ合間にお試しください。